左欄ニュースでもお知らせしていますが、来る3月1日(土)に希少難病患者支援事務局SORD(ソルド)主催のチャリティーイベントが行われます。「しののめ寺町」もじゃこ山椒の販売で参加させていただきます。
ある会でSORD事務局長の香取久之氏のお話を伺う機会に恵まれました。見るからに聡明で健康そうな好青年…と思いきや、ご自身も難病を患われているとのこと。診断がつくまでに、なんと17年かかられたそうです。
病気は誰しも嫌なものですが、医師や家族、まわりの支えがあれば、乗り越えていく力も湧くでしょう。ところが症例が少ない場合、治療はおろか理解さえ得られない…、そうした病気が7000種類あるとのこと。イベントのタイトルの由来です。
香取氏は話されます。希少難病というマイノリティ(少数派)であっても、まずは声を上げ、知ってもらうことが大切。そして繋がり合い、社会的に孤立してしまっている仲間を救いたいと。
お話を聞きながら、地下深くからたくさんの声が聞こえてくる気がしました。溜めに溜めた大きなエネルギーがうごめき出すのを感じました。
地上に芽を出し、高く伸び、花咲かせるものには自ずと目が行き、誰もの知るところとなります。目立たない、あるいは見えもしない、知られてもいないことは、存在すらしないかの如くあしらわれがちです。
誰もが知っている気になっていることなどは、実はひと握りなのかもしれません。知られないまま放置されていることが、実は世の中の大多数を占めているのでは。香取氏はそうしたメッセンジャーのおひとりに思えます。
以前のブログいいね!で書きましたが、私は自分は変わっているんじゃないかと思うことがよくあります。世の中で当たり前とされている前提がそもそも受け入れ難かったり、当たり前に流れていくことに違和感を覚えたり。自分はきっと少数派で、多数派の人から理解を得るのは難しいだろうと、話す前に諦めてしまいがちでした。
そんな自分が恥ずかしくなりました。
今回、一人でも多くの方に知っていただくきっかけの一助になればとイベントへの出店を決めました。当日、私が持てるだけのじゃこ山椒を抱えて会場に向かいます。
チャリティーと構えたものでなく、とにかく楽しめるものをと企画されています。お時間のある方は是非ご来場くださり、「しののめ寺町」のブースも覗いてやってください。ご来場が無理な方は「こんなんあるよ」と誰かに話してくださるだけでも大きな助けになります。
なにぶん家族だけでやっておりますので、店の方が手薄になりご迷惑をお掛けすることもあろうかと思います。何卒何卒ご理解のほど、よろしくお願いします。
厳しい寒さが続きます。2月のこの時期になると蘇る思い出があります。3年前のちょうど今頃、沖縄の宮古島へ一人旅をしました。「しののめ寺町」開店の一年前、そんなことになるとは想像だにしていなかった時です。
真冬に? 一人で? なんで宮古島?
ユタに会いに…。
これまでにも増して驚かれたでしょうか。ユタというのは女性のシャーマン(民間霊媒師)で、沖縄では生活に根差した存在です。当時、まわりからはいつも元気そうやねと言われながら、心の中は閉塞感でいっぱいいっぱいだった私。ただ誰かにそっと背中を押してほしかった。それがユタ…というのは、やっぱり変わっているかもしれません(笑)。
宮古島はスピリチュアルな島といわれています。どこもかしこも絵になる風景で、出会った方々は誰も彼もユニーク、摩訶不思議なエピソードが満載の不思議な旅でした。私に才能があれば、まちがいなく一本の映画が作れたと思います。
生憎その才能を持ち合わせていない私は、いらぬ誤解をされるのも怖く、うまく表現できないまま、ひとり心の中であたためてきました。どこまでお伝えできるか自信はありませんが、そろそろ表現してみようと思うようになりました。まずはお宿から…。
宿泊先をインターネットで検索していて見つけたのが、「農家民宿 津嘉山荘」。宮古島はトライアスロンが行われる土地で、選手のあいだでは有名なお宿のようです。アットホームな雰囲気、心づくしの手料理、そして名物おかみ千代さんの圧倒的存在感! 豪華なリゾートホテルも気楽なビジネスホテルも適わない魅力に、即決しました。
千代さんとの出会いは衝撃的でした。 出会ってわずかばかりの会話を交わしただけの私を、突然がばと抱きしめてくださったんです。しかも目に涙を浮かべて。なにが起こったかわからないくらい驚きました。そのころ泣くこともなくなって久しかった私ですが、思わず泣いてしまいました。
これが会ってほんの数分後のこと。心が触れ合うって、こういうことなんだと思いました。
朝夕の食事時、宿泊客は母屋の広間に集まります。部屋には仏壇や神棚、ご先祖の写真が飾られています。大きなお膳を囲むと、知らない同士もたちまち打ち解け、旧知の友人か親戚のよう。しばしば箸が止まるほど話が盛り上がり、笑い声が上がります。ひときわ大きな笑い声が千代さん。
供されるのは、千代さんのご主人が育てられた野菜を使った手料理の数々です。カリフラワー、ニラ、トマト…、どの野菜も力強い。ウミブドウ、ゆし豆腐、ゴーヤーチャンプルー…、ひとつひとつの料理がエネルギーに満ちている。そして名物は千代さんが農林水産大臣賞を受賞したというラフテー(豚バラの角煮)。柔らかくって、それはそれは美味しかった。
京都に帰る日の朝食後、誰もいなくなった広間で千代さんと二人きり、ゆっくり過ごす時間を持てました。千代さんはご自身の波乱万丈の人生を重ね合わせながら、いろいろな話をしてくれました。そして言いました。力を込めて、何度も、何度も。
「先のことはわからないよ。先のことはわからない」
先にはきっといいことがあるよ、きっとある。そう言ってくれているように聞こえました。千代さんが言うんだからそうかもしれない、その言葉をお土産に帰ってきました。気づけば思いもよらなかった「しののめ寺町」開店という事態に。千代さんの言葉の通りでした。
このブログで以前、青森の佐藤初女さんのことを書きました(佐藤初女さんのこと、佐藤初女さんのこと2)。ふるさとがないと嘆いている私ですが(ふるさと)、北には初女さんの「森のイスキア」が、南には千代さんの「農家民宿 津嘉山荘」が、素晴らしいふるさとがふたつもありました。中間の京都で暮らしながら、左右の両手をしっかり握られ、支えられているようです。
今につながる予言的な言葉や力をたくさん授かった旅でした。まだまだ途上、その意味を理解するには時間がかかりそうです。折り合いのついたことから少しずつお伝えしていけたらと思います。
前回のブログJupiter2で書きましたが、誕生日に「もう一人の自分」に支えられていると実感できたことは大きな出来事でした。
そうはいっても、やっぱり…、ふだんは誰かに支えていてもらいたいものです(笑)。「もう一人の自分」は最後の砦に残しておくとして。前回のブログと一転の軟弱ぶりですが(汗)。
私ってちょっと変わっているのでは、と思うことがよくあります。世の中にまかり通っていることに、どうしても馴染めなかったり。逆に、見過ごされていることが気になって仕方なかったり。
それは私の感じ方、考え方がひとと違っているから、私が変だから。変じゃないまでも少数派だとしたら、多数派にはかなわない。むやみに人に話すのはよそう。いつからか、そう思うようになってしまいました。
承認の欲求…でしたっけ、誰しも自分の思いを伝え、そして認められたいという願望があるといいます。私もそんな場や方法を探してきました。けれど、うまく見つけられずにいました。
「しののめ寺町」開店にあたり、今の時代、WEB対応は必須と聞き、ホームページとfacebookページを始めました。自作ですのでずいぶん苦労しました。「しののめ寺町」という店をどうやって伝えていけばいいのか。模索しながら、更新に努めてきました。
同時に始めたブログも、ちょうど2年になります。自分でも変なことを書いているなぁ、お客様に引かれてしまうかもなぁと思いながら、それでも正直な思いを書いてきました。
気づけば私のかけがえのない発信の場に。店を伝えているつもりが、とりもなおさず自分自身を伝えていました。店と人は一体ですから、当然といえば当然かもしれません。
多くの方に読んでいただいているようで、近頃ではたくさんの「いいね!」を頂戴することも。一番驚いているのは私自身です。
こんな私で、いいんでしょうか?
こんな変な私で…。
「いいね!」を見るたびに、どこかの誰かに認められていること、支えられていることを実感します。店を持つという貴重な体験と共に、かけがえのない場を得られたことを、とても幸せに思っています。
こんな私でも、いいのかも…?
妙ちくりんな私ですが、いつも温かく見守ってくださっている皆様、ありがとうございます。これからもたくさん学び、感じ、そして発信していきたいと思います。よろしかったら、また「いいね!」を(笑)。
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