「においの出る業種は嫌がられます」
店舗物件を探している時、どこの不動産屋さんでもまず言われたものです。
じゃこ山椒を炊く際、やはり醤油や山椒のにおいがたちこめます。私たちにはいいにおいでも、そこは嗜好のもの、嫌なにおいと思う方もあるやもしれません。
そこで改装工事に入る際、なにはなくても、ダクト(換気扇)だけは最大限のものを取り付けてもらうようお願いしました。
改装工事中、様子を通りから眺めていると、あたりからはいろいろなにおいが漂ってきます。パンを焼く香ばしいにおい、ケーキの甘いにおい、そばの出汁をとるかつおのにおい、弁当屋さんの日替わり定食でしょうか、魚を焼くにおい、風向きによってはお茶の香りまで…。
こうしたにおいを嗅いでいると、人の営みが感じられるようで、うれしくなってきます。
そして、今日、我が店舗にも初めてにおいがたちこめました。
うちの二代目、長男が、父親の指南のもと、初めてじゃこ山椒を炊いたんです。
最大限のダクトとはいえ、外ににおいが漏れることもあるかと思います。
「いいにおい」
と思っていただけるよう、修行していくことを祈っています。