水瓶の 金魚に憩う 日暮れかな

8月に入り、厳しい暑さが続いています。外を歩いている人もまばらなような。無理もありません。

 

せめて少しでも涼を感じていただけたらと、店先に水瓶を置きました。数年前、滋賀県信楽の陶器市で購入したものです。

 

たっぷりの水を張り、ホテイアオイを浮かせ、金魚を泳がせ…、といきたいところですが、金魚は無粋ながらプラスチックの作り物です。

 

店の中から通りを見ていると、通りかかった方が珍しそうに覗き込んでおられたりします。思惑が当たったようで嬉しいような、本物と間違われていたら申し訳ないような…。

 

私もついつい外に出ては、金魚は元気に泳いでいるかと覗き込んだりしています。

狭い水瓶の中で泳ぐ「なんちゃって金魚」を眺めながら、心は某老舗和菓子屋さんの立派な日本庭園の池で悠々と泳ぐ鯉を思い描いていたりして。

 

作り物とわかっていても、金魚の姿に憩っている自分に可笑しくなります。