昨年の今日、11月28日は夫が親族の一員として長年、共に働かせていただいた「しののめ」を退職した日です。
その時点で、先のことは具体的になにも決まっていませんでした。ただ食べていくため、実りある人生にするため、起業という決断だけはしていました。
3月9日のブログ「滋賀 坂本 律院」でも書いていますが、滋賀県坂本の律院に立派なあじゃり様がいらっしゃいます。毎日、護摩法要をされていて、何度か出向いたことがあります。28日はお不動さんといって、特にご利益があると聞き、出かけていきました。熱心な信者でもなんでもないのですが、心落ち着かないこの日、じっとしていられなかったというのが本心です。
京阪電車に揺られ、ただぼんやり車窓の風景を眺めていたのですが、坂本駅も近くなったとき、車窓に不意にある映像が浮かびました。それがまさにこの写真、何度か前を通りかかり、気になっていた物件の店構えです。そのとき私の中に、確固たる閃きが走りました。坂本に着くや律院への参道を歩きながら、携帯から仕事中の夫に電話を入れ、昼休みに不動産屋さんに連絡をして仮押さえをしてくれるよう頼みました。
護摩木を奉納し、ただ無心に祈り、少し心が落ち着きました。帰宅後、「しののめ」に寄り、長年お世話になった方々に感謝を伝えると、体から力が抜けると共に、もう前を向いて進むしかないんだと覚悟が出来たように思います。夜はお寿司とケーキで、家族4人のささやかな慰労会をしました。
翌日、さっそく物件の下見をして、一目惚れ。あとは一気に事が進んでいきました。この物件というのが、今の「しののめ寺町」です。大きなお力に導かれて出会えた店だと、いつもいつも思っています。
2011年11月28日、長い、不思議な一日でした。あれから一年、長い、不思議な一年でした。
コメントをお書きください