5月はお祭りシーズン。ここ寺町でも5月の最終日曜日、地元の氏神様、下御霊神社のお祭りが盛大に行われました。歴史あるお祭りも、私にとっては「しののめ寺町」開店以来の4度目です。(ブログお祭りの夜に、夢見通りの人々)
下御霊神社は店からほど近く、店でお出ししているお茶はここでいただいた井戸水でいれています。ペットボトルを携え、2、3日に一度汲みに行き、そのあとお参りをして帰るのが恒例になっています。
店も一段落の夕方に行くことが多いでしょうか。鳥居をくぐると、なにかしらほっとした気持ちに。本殿の屋根越しに見る空は、神社の外で見る空とは少し違っているような。時に季節の花が咲き、そこで改めて季節を感じることも。古びてはいるけれど、地元の人たちに愛されている様子がそこここに感じられる風情ある神社です。
先客と譲り合いながら、水を汲み、そのあと奥の本殿へ。なんであれご縁があるようにと毎回5円に決めているお賽銭を入れ、神様によく聞こえるようにと鈴を大きく鳴らすのが私流です。そして二拝二拍手。目を閉じて、合わせた両てのひらに力を込めて、渾身の思いで願い事を。
どうぞお守りください…だったり。
どうぞお導きください…だったり。
そして一拝。鳥居前で最後に一礼をして外に出ると、いつもすがしい気持ちになっています。下御霊神社は、いつからか私の心休まる場所、なくてはならない場所になりました。
5月初旬、通りに各店の提燈が吊られます。もちろん「しののめ寺町」の提燈も。夕刻に明かりが灯り、店名が薄闇に浮かび上がるのを見ると、あぁ今年もこの季節がやってきたんだなぁと思います。5月は大好きなこの街が、ますます大好きになる季節です。
心躍らせながら待つお祭りの日。宵宮の土曜日、通りにずらりと縁日が並ぶと、今年もこの光景を見られた喜びを感じます。夜が更けるにつれ賑わいをみせる通りを「ほいっと、ほいっと」と、掛け声もかわいい子供神輿が練り歩きます。
大人も子供も愛がいっぱいの表情。見ている私にも愛があふれてくるような。お祭りの夜には、神様が近くにいらっしゃる気がしてなりません。
翌日は本番、男衆による御神輿巡幸です。朝に出発した御神輿が夕刻に戻ってくると、クライマックス、神社前での差し上げです。最後の力を振り絞って高く掲げられる御神輿、祭りは最高潮。やがて終了の掛け声と共に、興奮の余韻を残しつつ神社へと帰っていきます。名残惜しげに鳥居をくぐっていくうしろ姿を見送りながら、ふと、湧き上がる思いがありました。
私の神様…。
下御霊神社の神様が、私の神様になってくださった。そんな気がしたのです。お参りを始めてたった3年。わずかばかりのお賽銭。それでも心優しい神様は、寺町で店を構え、ここで生きる私を見守ってくださっている。そう感じた瞬間でした。
古くからの氏子さんたちからはお叱りを受けるかもしれません。信心深い方たちからは不謹慎とおとがめを受けるかもしれません。自分でも申し訳ないなぁと思うのですが、感じたことなので、どうかお許しください。
神様はきっと私のことを守っていてくださる。
そう信じて、また一年がんばろう。そして来年も、この街で店を開いていられますように。来年も、うれしそうに御神輿のあとをついて歩く私がいますように。そう願ってやまないお祭りの夜でした。
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